人質の朗読会 小川洋子著
とても切ない物語です。
というのは、冒頭、
この物語の説明があります。
海外で人質にされ殺されてしまった人たちの
監禁されているときに話していた内容が
この先、9つあります、と。
最初にあるこの説明が、威力を発揮しています。
物語の内容は日常的なものですが、
この暗示がよく効いています。
直近で読んだ本は、ほとんど、
無関係な人々が、一つの線でつながっていく
というものが多かったのですが、
今回は、一つの結果について、
個々人の個別の歴史を回想するというもので、
異なる構成の本を
短期間で読むと、
不思議な精神状態になります。
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